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「烏山三人男」は、毎週笑顔でデビュー希望者を出迎えている 団塊世代が、定年後に地域活動に“デビュー”するのを後押ししている3人の男性が、世田谷区にいる。名付けて「烏山三人男」。ボランティア活動を紹介するなど、中高年が会社生活などで培った経験を地域で生かすためのきっかけ作りに、汗を流している。(大木隆士)
三人男は真貝高三さん(64)、武田治実さん(61)、相沢正博さん(60)。ともに会社員だったが、定年退職した。
不動産会社で働いていた真貝さんは、現役のころは帰宅はいつも深夜。ゴミ当番や回覧板を回す役も奥さんに任せきりで、30年以上暮らす地域のことを顧みることはなかった。ほかの2人も同様だったという。
そんな3人が変わったのは一昨年、区主催の地域デビュー体験講座に参加してから。祭りに参加したり、障害者の授産施設の送り迎えを担当したり、老人ホームに出向いて合唱したり、それぞれが地域に積極的にとけ込むようになった。
「会社の元同僚は遠くに住んでいる。地域に密着した方が絶対に楽しい」と真貝さん。「ほかにも参加したいと思っている人は多いはず。きっかけがないだけ」。そう考えた3人は協力し、昨年12月、地域デビューの相談窓口を始めた。
京王線千歳烏山駅北口にあるNPO法人「笑顔せたがや」の事務所で、毎週土曜の午前10時~午後4時に開いている。
独り暮らしのお年寄りに夕食を配る手伝いや知的障害者が働く食堂の店長を頼みたい、混声合唱団に参加してほしい……。地域で活動する団体から団塊世代への期待は強い。そうしたニーズを集め、相談者から何が出来るか聞き取った上、両者の仲立ちをするのが3人の役割だ。
「気軽に人と知り合って、自分のやりたいことを見つけてほしい」「世のため人のためと大上段に振りかぶらず、まずは自分が楽しめばいい」。自らの経験をもとに、三人男たちはそうアドバイスする。
区も3人の活動に注目し、地域活動のコーディネーター役を育てようと今月末、「世田谷ひと・まち塾」を開講する。現在、参加者を募集している。
40歳以上の同区在住・在勤者が対象。前半の基礎講座でコミュニケーション技術を学び、町歩きをしながら地域の課題を見つけるフィールドワークなどを行う。後半の実地講座では、気づいた課題について解決方法を実際に探っていく。
基礎講座は今月31日から、原則毎週土曜日の計8回。実地講座は不定期。定員30人、受講料3000円。区生涯現役推進課(電)5432・2404。
(読売新聞 東京地方版)